親子体操
久保田武蔵
親と子供の関係が希薄になってきているといわれる現在。
解決策は何かと聞かれれば、親子が直接ふれあう以外にはないだろう。幼児期の記憶は、後の人生にも多大なる影響を及ぼすと言われているように、普段から親子でコミュニケーションを取ることは大変重要なことなのだ。
親子間のコミュニケーション。食事、入浴、外出。このあたりが一般的だが、ここにひとつ「体操」を加えていただくと、親子でよりよいコミュニケーションが取れるのではないだろうか。親子でともに目標を持つ。親子で同じ動作をする。親子で一緒になって達成感を実感する。私は、ぜひこの過程を体感していただきたいと考える。また、身体を動かすということは子供にとって身体の発達を促し、達成することによって心の発達も促すことができる。大人にとっては日々の運動不足の解消、ダイエット、気分転換など様々な効能を生み出すのである。
足立区立の保育園で講演を行った際、見学のみで来場されていた父兄の方々にも急遽「むさしエンタメ体操」を体験していただいた。もちろんプログラムは年齢によって分かれるが、とにかく「楽しく」、「しっかり続くもの」の2つを大切にしながら紹介させていただいた。親が頑張る姿を子供が見ると、子供も小さな体を駆使して頑張る。そして、親ができない場合は小さな巨人たちからの叱咤激励が待っている。それを体験してしまうと、悔しくないはずのない親はもっと気合いを入れて体操に臨む。お互いが上手にできた後は、2人でハイタッチである。この光景は、いつ拝見してもとても清々しい光景である。
この園での講演会以降、改めて「親子体操」の重要性について考えさせられることになった。幼稚園や保育園での「体操教室」、先生と園児の間柄では作り上げることのできない濃い空間がそこに存在していたのだ。親子ならではの信頼しきった間柄。この2人が恥ずかしさを交えながら体操をする。そこには各親子間のみの空間があり、そこで2人の競争が存在する。そして、もちろん親の方が上手に体操をすることができるため、子供が親を尊敬する。「父ちゃんスゲェ!」などという言葉を聞くことができたら、私としては内心「してやったり」である。
幼稚園や保育園でやる体操と家でやる体操は、同じものでいいと考える。基礎体力の向上、柔軟性の向上を中心的にプログラムに取り入れ、それを繰り返し行うのだ。基本がしっかりしていなければ、一定以上の体力の向上は認められない。そのため、同じプログラムであることが重要なのだ。幼稚園や保育園では先生と思いっきり笑い合いながら、友達みんなと身体を動かす。そしてそこで「体を動かすこと=楽しい」と感じてもらう。家ではゲーム感覚で親子のコミュニケーションツールとして役立ててもらう。
ぜひ、各自でご自宅でも「親子体操」を実践していただきたい。その先に待ち構える、親子でのキャッチボールを見据えて。