司会、運動のお兄さん、俳優、リングアナウンサー、モノマネ師、講師、総合格闘技王者…

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モチベーション

久保田 武蔵

 

 

 「僕ね、大きくなったら体操の先生になるんだ!」

 

 私が体操教室を受け持っているクラスの園児が、クラス後にこう言いながら話しかけてきた。彼にとって、私はテレビの中にいる()ベネッセコーポレーション「こどもちゃれんじ」の運動のお兄さん「むさし」や「ジャングル・グルル」ではなく、「むさし先生」なのだ。「運動のお兄さん」という私の存在を知っているにもかかわらず、私のことを「先生」と呼んでなついてくれる彼。彼の存在と前途の言葉が、私の「講師」としてのモチベーションをより高めてくれた。

 

教室を展開していくうえで、モチベーションというものは大変重要である。子供達は大人の態度に非常に敏感で、些細なことでも見逃さずに指摘をしてくる。そのため、自分のモチベーションを常に高め、毎回子供が想像する以上のものを提供していく必要がある。

 

自分のモチベーションを高めるには、そのクラスでの楽しみを見つけることが得策であると考える。まずは担当しているクラスそのものを愛すること。そして、その子供達の笑顔を見るためにはどうすればいいかを頭の中でイメージトレーニングすることが重要なのだ。子供達の前で流行のお笑いのネタをやってみたり、自分でネタを作ってみたり。また、人気のマンガや映画を見て研究したり。とにかく、子供が喜びそうなものの取材をし、それを実行してしまうことである。イメージトレーニングと子供達の反応が一致したとき、改めて考えるだろう。この仕事をやっていて本当によかったと。

 

私は、「体操教室」の後にご褒美として子供達と遊ぶようにしている。これがあると、子供達は遊ぶことを楽しみとして体操に集中する。体操を楽しいものだと感じてくれるならば、入りはそこからでまったく問題なしなのだ。「戦いごっこ」という名目で「相撲」をしたり、「綱引き」をしたりし、少しずつ「体操教室」と「遊びタイム」の垣根を低くしていく。こうすることによってお互いの信頼関係ができあがり、教室を進行しやすくなっていく。子供達のモチベーションを上げるという点で、私のプログラム内でのこの時間は絶対に無くしてはいけないものなのだ。

 

この「遊びタイム」のとき、冒頭の言葉をかけてもらった。30分以上の体操を終えてクタクタになったはずの彼の眼は、ダイヤモンドよりもエメラルドよりもきれいに輝いていた。少なくとも、私にはそう見えた。現物を知らないくせに例えに出すのは忍びないが…()

 

私にとって、子供は先生だ。誰よりもたくさんのことを直接教えてくれる。先生に対峙するのだから、半端なものは提供できない。これが私のモチベーションになっているのだ。とにかく、モチベーションというものは双方にとってとても重要なものである。モチベーションを持って高めていくことにより、お互いが満足できるものを創り上げることができる。そこから体力の向上がついてきてくれれば、これこそまさに一石二鳥である。